I feel like I became wiser

年間300冊以上を読んできた私が、20歳の時の私に読めばよかったと思う本、20歳で読んでいて良かった本を紹介します

秘密(東野 圭吾) ☆4.0 運命は、愛する人を二度奪っていく

f:id:banmesi:20181122221519j:plain 個人的な評価☆4.0/5.0

 

 

今回紹介する本は

 

 

秘密(東野 圭吾)です。

 

 

・あらすじ

運命は、愛する人を二度奪っていく。
自動車部品メーカーで働く39歳の杉田平介は

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美と暮らしていた。

 

長野の実家に行く妻と娘を乗せたスキーバスが崖から転落してしまう。

妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、

死んだはずの妻だった。

 

その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密"の生活が始まった。

外見は小学生ながら今までどおり家事をこなす妻は、やがて藻奈美の代わりに 新しい人生を送りたいと決意し、私立中学を受験、

その後は医学部を目指して共学の高校を受験する。

 

年頃になった彼女の周囲には男性の影がちらつき、 平介は妻であって娘でもある彼女への関係に苦しむようになる。


98年度ベストミステリーとして話題をさらい、広末涼子主演で映画化、志田未来主演で連続ドラマ化もされた東野圭吾出世作。累計200万部突破の伝説のベストセラー。

 

・所感

本書は杉田家の親子やそれに関わる人達の心理描写に

非常に力を入れている作品です。

 

その中でも、娘の体に乗り移ってしまった妻が学校に通いだし、

その周囲に男の影がちらついてきたときの父平介の葛藤は、

読んでいて苦しくなるくらいでした。

 

また、終盤で藻奈美の人格が戻り始め出した頃の、

妻を失いたくない、だけど娘が返ってくる事が嬉しいという

複雑な平介の心境を描いており、

これまた読んでいて苦しくなりました。

 

これだけだと読んでいていて苦しくなる本という感想に

なっていしまいますが、本書はそれが醍醐味であるといえます。

現実はありえないような出来事に直面し、それの当事者となった時、

人はどのような感情が生まれるのか。

 

最愛の人を二度失うことになった父は何を思うのか。

 

気になった人は是非本書を読んでみてはいかがでしょうか?

 

 

 

秘密 (文春文庫)

秘密 (文春文庫)