ジョーカーゲーム(柳 広司) ☆4.0 日本軍スパイの華麗なる短編集
個人的な評価 ☆4.0/5.0
今回紹介する本は
ジョーカーゲーム(柳 広司)です。
・あらすじ
戦時中の日本にて、大多数の反対を押しのけて結城中佐の提案により、
スパイ養成学校「D機関」が設立された。
訓練生達はお互いの素性さえも知らず、
優秀なスパイへと成長していくのであった。
そんな彼らが世に送り出され、活動をしていく物語である。
・どんな本?
・「D機関」の卒業生達が送り出された先で
諜報活動を行う様子を記した短編集。
・1話が短く読み易い、話が繋がっているところもあるため、
読み込むことをお勧めします。
・感想
本書を読んで私はこういう短編集も良いなと感じました。
このような形式の短編小説でありがちなのが、
キャラクターへ感情移入がしづらくなることです。
短編であることが災いしてキャラが立たず、
どんな性格なのかわからずに終わってしまうことが少なくありません。
しかし、本書では1話1話出てくるキャラクターが違うのにも係わらず、
1人1人非常にキャラが立っているため、感情移入し易くなっています。
また、時代背景や設定も工夫されており、
戦時中の日本の環境を上手く絡めているため、
歴史が好きだよという方にはニヤリとする場面もあります。
本書はアニメと映画(ほとんど原作要素はないようだが)になっているので
本書と合わせて興味のある方は視聴してはいかがでしょう?